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 私が働く町工場。

 先日、夏のボーナスが支給された。昨年より少しばかり増え、頑張ったことが報われたようで、私としては素直に嬉しい。

 今のところ、私が働く町工場の業績は好調なようである。

 今度、また、新たに人を募集して、取引先からの増産要請に応えたいということである。

 さらに七月から東北にある関連工場から研修生が追加で、もう一人やってくる。

 今後、関連工場と密な連携を取り、さらなる増産体制を築き、会社の売り上げのギアをもう一段上げる計画のようである。

 数年前から始めた国内向け、そして海外にも輸出している新部門が今や、町工場の大きなエンジンとなっている。

 私が入社した頃は国内向けに多種多様なものを細々と生産しているだけで、正直、将来、どうなることかと心配もあった。

 やはり、今の時代、国内市場だけ目を向けていては厳しいのかなと思う。「メイド・イン・ジャパン」として誇りを持ち、海外にも進出していかなければ、私が働く町工場のような小さなところが生き残っていくのは難しいかもしれない。

 とりあえず、今ある仕事を途切らさないように、新しくやってくる人を含め、全員で町工場を盛り上げていくしかない。

 最後に残念なことがひとつ。

 ついこの間、一人のパートさんが昇格して、正社員になったということをここで書いた。しかし、先日、一身上の都合により、彼女は退職してしまった。 

 人間、生きていればいろいろあるので仕方がないが、できればもっと長く彼女と仕事をしたかったと個人的には思っている。

 私がこれからの彼女に願うことはひとつ。「辞めなければ良かった」と思うよりも、「辞めて良かった」と思えるような人生を歩んでほしい。

 どこにでも出入りはいろいろあるけれど、少しでも、そこに幸福があることを私は願う。

 誰かに、何かを頼むのが苦手である。

 相手も何かと忙しいから、悪いなと思ってしまったり。相手が迷惑がっていないかと不安になったり。あとは、こちらの要望を100パーセント伝える話術に自信がなかったり。

 今、私が働く町工場の仕事の一部を別の会社に頼んでいる。そして、その交渉というか、調整を私が担当しているのだが、これがなかなかうまくいかない。

 これまで、いくつかの会社で、私は働いてきたが、外部との交渉をしたことはなかった。

 ただ、私が働いている町工場では人手も少ないので、そういう役目が私にも回ってきた。内職さんなら、くだけた感じで話もできるのだが、別会社の年上の人間となると、そうもいかない。

 本社からは、こちらは仕事を頼んでいる側なのだから、がんがんいってほしいと言われているが、どうしても遠慮が出てしまう。

 相手の会社も、うちの工場以外の仕事を抱えているだろうし、正直なところ、うちの工場は下請けの下請けなので、渡せる工賃はかなり低い。

 それと材料の手配はうちではなく、取引先が管理しているので、材料が入ってくる時期がまちまちである。納期の順番どおりに材料は入ってこないし、遅れてきたものを至急やってくれと言われることも多々ある。

 さらに材料の加工も面倒な工程もあるので、生産性が上がりにくい。さらにさらに材料自体もかなり重いので、持ち上げるのも一苦労である。

 そういう中、こちらが強気に出て、「うちではできない」と相手に、さじを投げられないかという不安がある。

 交渉上手な人間だったら、うまいことまとめて、うちの工場の仕事を優先的にやってもらえるのかもしれないが、現時点の私には、そこまでの能力は不足している。

 なので、生産量が足りない部分は私が残業したり、土曜日に出たりして、数字を合わせている。まだ始まったばかりの仕事なので、別会社との調整方法を学びながら、しばらくは対処していくしかないだろう。

 仕事には課題が次から次へと出てくるものだなと改めて思う今日この頃である。

 私が働く町工場。時代が令和になって、いくつかの変化があった。

 第一に、正社員が増えることになった。といっても、全くの新人ではなく、パートで働いていた女性が昇格して、正社員になったのである。

 正社員としてのキャリアは私のほうが長いが、工場に入ったのは彼女のほうが先なので、どちらが先輩というのは微妙だが、さらに協力して、少しでも工場が良くなるようにしていきたい。

 第二に、県外にある関連工場から研修をするために、男性がひとりやってきた。

 現在、うちの工場で生産しているものを関連工場でも生産してもらい、より一層の増産体制を図るということである。

 商品にははやり・廃りがあるので、この会社の決断がうまくいくかは読めないところもあるが、今回、しっかりと研修してもらい、万全の体制になることを願いたい。

 まだ、こちらに来て間もないので、遠慮もあるのだろう。男性は素直に、そしておとなしく研修を続けている。

 きっと、そのうち慣れてきて、自分の考えを伝えてくることもあるだろう。そのときは聞く耳を持って、作業が改善できるところは相談しながら、決めていきたい。

 同じ工場内で、ずっと一緒に仕事をしていると、別の視点が持ちづらいところもある。なので、外から入ってきた彼に新しい視点を提供してもらい、こちらも勉強できれば、お互い、最高の研修になるのではないかと思う。

 私が働く町工場では女性パワーが優勢なので、いろいろと難しい面もあるかもしれないが、人間関係にも気をつけながら、彼には、この研修を最後まで頑張ってほしい。

 令和の町工場。新しい時代になっても、小さな世界で、みんなで協力しながら、頑張っていこう。

 この前、私が働く町工場に、女性パートさんが三人増えたと書いたが、さらに一人増え、新人さんが四人になった。

 二十代、三十代、四十代、五十代とそれぞれの年代が入り、バランスがとれ、今回のパートさん募集は成功したのかなと思う。

 最年少の二十代女性は平成生まれ。うちの町工場にも、もうすぐ平成の終わりというこの時期に、やっと平成の風が吹き込むことになった。

 これまで私より年下のパートさんでも、昭和生まれの人間しかいなかったので、平成生まれという言葉の響きは、とても新鮮な感じがする。

 それと同時に、昭和生まれの自分が旧世代になったようで、少し、さびしい気もしている。

 それでも世代交代は必要なことなので、上の世代である私たちは下の世代に、きちんと引き渡していきたい。

 今回、四人も増えたので、さらに工場内の女子密度が高くなった。

 現在、女子が二十人近く。対する男子チームは私と工場長の二人だけ。

 工場長が外に出ているときは、工場内に男子は私一人だけになってしまうので、時折、女子パワーに圧倒され、息苦しさのようなものも感じてしまう。

 女性の中で、仕事をするのは決して嫌ではないが、もう少し、男女のバランスが取れればと正直なところ、私は思う。

 そんな中、半年という期間ではあるが、東北にある関連工場から茨城に男性が一人、研修にやってくるかもしれないという話が出ている。

 私としては大歓迎である。一時的ではあるが、男子チームが増えることになるし、彼と接することで、こちらも、いろいろと学べることがあるだろう。

 私が教えられることは少ないかもしれないが、来てくれたなら、仲良くやっていき、成果を持って帰ってもらい、今後に活かしてくれたらと思う。

 以上、2019年春の町工場の様子である。


 今月の給料日から給料が上がるらしい。

 私が働く町工場。会社の業績不振のため、一年とちょっと前から給料が下がっていたが、先日、業績も幾分、回復し、それを反映して、私たちの給料を上げると社長から話があった。

 正直なところ、給料が下がった時点で、私は期待していなかった。

 一度、下げたものを上げることはないだろうと。仮に売り上げが上向きになっても、多少、ボーナスが増額されるくらいではないかと。

 ボーナスがもらえるのも嬉しいが、毎月の給料が増えるのはもっと嬉しい。

 やはり毎月、入ってくるものが多少なりとも増えれば、気持ちに余裕が出てくる。増えた分でちょっとぜいたくしたり、もしくは老後のための貯蓄を増やすこともできるだろう。

 もらえるものは、もらえるときに、少しでも多くもらっておいたほうがいい。

 しかし、今回、給料が上がっても、不安はある。

 来年の十月には消費税が10%になる。何かを買ったときに、一割は強制的に税金を払わなければいけないというのは大きな支出である。

 増税分、医療費などの負担が軽くなったりすればいいが、そういうこともなさそうである(食料品の軽減措置はあるようだが)。

 同じような生活をしていても、支出が増えるのは確実なので、将来の経済設計には大きな不安が残る。

 それに今回は業績が回復したから上げてくれるが、小さな町工場なので、再び、悪化する可能性も大いにあり、そのときはまた給料が下がる可能性も大いにある。

 けれど、未来の分からないものをくよくよと悩んでも仕方がない。分かっているのは、今、この現状である。

 とりあえず、今は給料が上がることを素直に喜ぼうと思う。とりあえずは。