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 今回はいささか尾籠(びろう)な話なので、そういったものが好きではない方はこれ以上、読み進めないことをお勧めします。
 
 それでは本編スタート。

 
 どちらかというと、私は胃腸が弱い。

 お腹を冷やしたり、ちょっとしたプレッシャーを感じると、とたんに胃腸の調子が悪くなってくる。

 そうなると、ときにトイレに駆け込む緊急性が出てくる。トイレの個室に入り、ほっと一息。「ああ、今日も救われた」と幸運に、私はひっそりと感謝する。

 私が働く町工場はトイレ環境が充実していない。男子専用の小便器が一つ。男女兼用の水洗便器が一つ。そこを二十人ほどの人間が共同使用している。

 ほぼ八割くらいは女性なので、トイレの使用頻度は高い。誰かが使用していて、出るのを待っているという光景がしばしば見受けられる。

 男性である私が男女兼用に入っていた場合、明らかに使用目的は露見してしまう。なので、なかなか男女兼用トイレには入りづらいところがある。

 中年おっさんの入ったあとでは女性陣もあまり、いい気持ちはしないだろう。事後の匂いや肌に直接触れる便座などのデリケートな問題もある。

 なので、なるべく兼用は使用しないようにこころがけ、最悪の場合に使うとしてもタイミングに気を遣っている。

 女性陣に気づかれないようなすき間。女性陣がおしゃべりに夢中な昼食や三時の休憩タイム。あるいは女性たちが帰宅したあとの夕方。

 こっそりと忍び込み、そそくさと用を済まし、三度ほど消臭スプレーをまき、そ知らぬ顔でトイレをあとにする。私が入ったと気づかれないような完全犯罪を実行する。

 ただ、すき間男になるのも大変である。すき間タイムがくるまで、我慢や調整をしなければいけない。顔は平静さを装って仕事をしているつもりだが、他人から見れば、どこか挙動不審に見えているかもしれない。

 トイレの神様にお腹の調子が悪くならないことを祈りつつ、小さな罪悪感を重ねている私である。