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2018.08.14 外見だけでは

 誰かの家を見るのが好きだ。

 この屋根のデザインがいいなとか、玄関へのアプローチが凝っているとか、家のシンボル的な木があるなとか。

 いろいろと感心しながら、そんな家で生活できる人たちをうらやましく思いながら、通りすがりの家を見ている。

 けれど、実際のところ、その家の中の様子までは分からない。見かけほど快適な家ではないかもしれないし、家族の中でトラブルがあり、家の中の空気が淀んでいることもあるかもしれない。

 外見だけで、そのすべてのはかり知ることはできない。

 先日、市の歴史資料館で「少年・少女がみた戦争」という企画展が開催されているのを知り、それを見学してきた。

 私が資料館に入ると、小学生の女の子を連れた親子がいて、「戦争体験を、どこかで聞かせてもらうことはできないだろうか」と係の人に問い合わせをしていた。どうやら、夏休みの課題の一つらしい。

 今から四十年ほど前、私も小学生だった頃、同じような課題が出て、一緒に住んでいた祖父に体験談を聞こうとしたことがある。

 しかし、頑として、祖父は自らの戦争体験を語ろうとはしなかった。そのときの私は『何だよ、ケチ。少しくらい教えてくれてもいいじゃないか』と思ったのだが、今にして思えば、祖父にとっては口に出したくない、思い出したくもない体験だったのかもしれない。

 もし、そうだとしたら、申し訳ないことをしたなと今の私は思う。

 普段は穏やかに生活しているように見えても、こころの奥底には重い重い鉛のようなものが残っていることもあるのではないか。

 明日は終戦記念日。様々なものに想いをはせる夏の一日である。
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