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 あまり予約というものが好きではない。

 先日、いつもの床屋さんで髪を切ってもらっていると、店に予約の電話が何度もかかってきた。

 かれこれ四十年以上、この床屋さんに通っているが、私は一度も予約して、来店したことはない。

 週末に、ふらりと立ち寄り、空いている席に座り、「いつもと同じで」と言って、髪を切ってもらう。

 ふらり来店スタイルなので、たまに混み合っているときは、自分の順番まで一時間以上待ちという状況もある。そういうときは、出直すことにして、いったん、私は自分の家へと帰る。

 予約をしてやってくるお客さんは少しでも時間を無駄にしたくない合理的な人たちなのだろう。

 時間というものは一方向しか進まないものなので、一度、無駄にしてしまった時間は永遠に戻ることはない。

 できることなら、私も時間は無駄にしたくないと思う。

 けれど、確実に目的を果たすため、予約をして、その時間に備えるというのは結構なプレッシャーが私にはかかる。

 泊まりで旅行するとき、私はネットで宿の予約をしている。わくわくしながら、その日を待つ反面、もしもチェックインの時間に遅れたらどうしようとか、急な予定でキャンセルになったら申し訳ないという心配が常に頭のどこかにある(飛び込みで宿を探すのは、それ以上の心配があるのでしたくない)。

 私の中では予約したら、できる限り、守らなければいけないという強い思いがある。その結果、プレッシャーがかかったり、己の自由度が大きく制限されることになってしまう。

 なので、より気楽でいるために、簡単な気持ちで予約はしないようにしている。私の中では、効率より自由が尊重されていて、多少の犠牲は仕方がないかと思っている。

 予約なしでふらりと。時間を無駄にするのも自由のひとつの形なのかもしれない。
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