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 山登りを終え、再び、レンタカーを走らせ、向かったのは上田市にある「無言館」。

 日中戦争や太平洋戦争に出征し、戦死した画学生の遺作や遺品を展示している美術館である。

2018信州旅20 

 芸術というのは、その人間の魂を映し出しているものではないかと私は思う。一つ一つの作品を見て回りながら、それぞれの魂を私は想像する。

 戦争によって失われた命。肉体という物質だけではなく、内部の魂までも奪ってしまう戦争は、ひどくむごいものだと私は思う。

 ただ、ここに遺されたものは家族や友人たちによって、長い間、大切に守られてきたのではないだろうか。

 亡き人を想い、その形見でもある作品を何十年という年月をかけて、大切に扱い、それを今日まで守り抜いている。

 日々、戦争の記憶が風化されていく現状で、きっと、それは大変な労力だったろう。そして、これからも故人の想いを変わらず、つなげていくことは、さらに大変なことだろう。

 今回の私の訪問がささやかでも、一助になることを願いたい。

 旅をしていると、世界は様々な人たちの想いにあふれているなと私は思う。

 普段は日常というフレームの中で気づかないことが、旅に出ると、感覚が鋭くなるのか、気づきが生まれる。その気づきが、誰かの想いをつなげていくことになるのではないだろうか。


 列車を乗り継ぎ、私は薄暗い地元の駅に降り立った。旅は終わり、また、明日から新しい生活が始まっていく。

 生きている限り、日々、想いは生まれていくだろう。はたして、私の想いはどこにつながっていくのだろうか。

2018信州旅19 

 2018信州ひとり旅・おわり。
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