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 じんわり、じんわりと攻めていくのが好きだ。

 ゴールに向かって、時間をかけ、急がず、慌てず、一歩一歩を確かめるように進んでいく。

 逆に言えば、すぐに答えの出るものは苦手というか、あまり好きではないと思う。

 一時期、宝くじを買っていたことがあるが、削ればすぐに当たりが分かるスクラッチくじでも、一日一枚ずつ、十日くらいにわけて、削って楽しむような私は面倒くさい人間だった。

 こう考えてみると、案外、私は面倒くさいことが好きなのかもしれない。

 この前の休日、庭の木の剪定をした。脚立に登り、剪定ハサミで無造作に伸びた枝を切っていく。

 とりあえず、見た目の美しさは二の次である。新芽も関係なく、表面に出ているものを手当たり次第という感じに。

 脚立の上での慣れない作業からか、程なく疲れを感じてくる。腕を持ち上げながらのハサミ作業は握力が弱まり、両手が震えてくるような感じもする。

 必然的に、私は昨年まで庭木の手入れをしていた父のことを思い出す。父が生きているうちに、少しぐらいでも、手伝っておけば良かったと私は後悔した。

 一通り、剪定し終えた庭木を私は眺めてみた。

 およそ、美しさから遠く離れためちゃくちゃな姿になっていた。やはり、初心者の私の適当な作業では美しさを表現するのは難しいようである。

 これから時間をかけて、そこは会得するしかないだろう。経験を積めば、それなりの美しさを表現できるようになるのではないか。

 じんわり、じんわりと。私の新しい修行が始まった。
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